茅ヶ崎市のかかえる問題 Stop the ハコモノ行政! その2

「Stop the ハコモノ行政!」その1では、ラッシュアワー的に増えるハコモノ建設が、実にさまざまな問題を抱えていることを、ちがさき市民オンブズマンが解説しました。

その2では、クラスター地域の広域避難場所である「茅ヶ崎ゴルフ場」の開発という前代未聞の問題について、市民の目線から、わかりやすく解説していきます。

問題その1

茅ヶ崎ゴルフ場の開発は「未必の故意」に該当します。

地震火災が発生すると、県内最大のクラスター地域(延焼運命共同体)の周辺住民は、逃げ場を失い、大被害をこうむる恐れがあることを、防災専門家は指摘しています。

「広域避難場所」として指定されている茅ヶ崎ゴルフ場の開発。

市・県は危険を承知の上で、科学的な知見に基づく安全性の根拠もなく、まちづくりのためにはやむを得ないとして、開発を進めようとしています。

これは「未必の故意」に該当し、実際に犠牲者が出れば、責任者は責任を問われることになります。

※未必の故意 ⇒ 犠牲者が出ることが分かっていながら、実行すること。

問題その2 公助の放棄

「茅ヶ崎ゴルフ場」の開発は、総合計画中間見直しに反します。

総合計画中間見直しの目標の目玉は「更なる安心・安全」です。

しかし、茅ケ崎ゴルフ場の開発は、それどころか公助を放棄して、市民を危険にさらします。

市民に自助・共助による安全確保を押し付けることになりますが、自助・共助では限界があり、大被害を招く恐れがあります。

自助 = 自分で自分を助けること
共助 = 家族、企業や地域コミュニティで共に助けあうこと
公助 = 行政による救助・支援、のこと

問題その3 緑地がさらに減少する

茅ヶ崎ゴルフ場の開発は「茅ヶ崎市みどりの基本計画」に反します。

「茅ケ崎市みどりの基本計画」では、茅ヶ崎ゴルフ場周辺地区を、風致景観の保全、生態系の保全および市民と自然とのふれあいの観点から、重点的にみどりの保全に配慮すべき「保全配慮地区」に指定しています。

また、市街化地域の緑地の確保の目標を、平成20年の192.14ha (8.68%) から平成30年の195.59ha(8.84%)に引き上げるとしています。

しかし、平成20年以降、海岸地区の開発が進み、目ぼしい緑地は「茅ヶ崎ゴルフ場」しか残っておらず、航空写真には見るも無残な景色を映し出しています。

開発によってさらに、最大約20ha (0.9% ) 減少し、まとまった緑地は、ほぼ皆無となります。

また、この緑を失うと「広域の環境破壊」が起こります。


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茅ヶ崎ゴルフ場 

問題その4 住民の声を無視

茅ヶ崎ゴルフ場の開発は民主主義に反します。 

茅ヶ崎ゴルフ場の開発は、「広域避難場所とみどりの保全」に署名した市の人口の1割におよぶ2万4千人の声を無視しています。

また、広域避難場所とみどりの保全、開発反対などを求める周辺自治体や住民の声をないがしろにして、開発による利益を追求する企業目線に立ったものです。


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茅ヶ崎ゴルフ場 

問題その5 法令違反の会議

「134号沿線有識者会議」の設置は、
地方自治法、茅ヶ崎市自治基本条例 および 市民参加条例に違反します。

また、提案内容は、茅ヶ崎市都市マスタープランに反します。

この有識者会議の委員には、公募市民は入っていません。

また、事前の市民との意見交換会もないまま、市長が任命した数人の高齢の男性の意見をまとめた提案に基づき、方針が作成されました。

市民参加の推進をはかる、茅ヶ崎市の「自治基本条例」および「市民参加条例」に違反します。

つまり、市長が都合よく任命した数名の意見が、市の方針としてまとめられ、具体的な開発案となって、方針が作成されています。 
  
また、この有識者会議は、国道134号沿線の方向性と、達成のためのまちづくりを提案しており、会議の実態は条例で設置すべき「附属機関」として活動しているため、地方自治法第138条の4第3項に違反します。

つまり、提案をしてはならない違法な会議で、堂々と提案が行われ、方針にまとめられているのです。


この有識者会議の「ゴルフ場周辺に関する提案内容」には、マリーンスポーツレジャーをテーマとした、にぎわいのまちづくりがあり、「風格あるまちづくり」を定めた茅ヶ崎市都市マスタープランを無視しています。

茅ヶ崎市では、法令等に違反し、住民の声や現存する基本計画を無視し、特定の団体・企業関係者や特定の市民からなる少数の人たちの意見により、まちづくりが進められているのです。 

いったい誰のための建設なのでしょう?

「茅ヶ崎ゴルフ場」の開発問題だけではありません。

「柳島スポーツ公園の不透明な入札」

「ホノルル姉妹都市提携の税金の使われ方」 

「茅ヶ崎公園のテニスコート移設の不透明な経緯」など・・・

およそ90億円の市役所建て替え、100億円以上を投入している柳島スポーツ公園の建設、さらには「道の駅」も予定されています・・・

平成25年3月策定の「茅ヶ崎市公共施設整備再編計画改訂版」には記載されていない公共施設が、続々と建設され、あるいは、今後建設が予定されています。

いったい市長は、誰のために建設しているのでしょう?

茅ヶ崎市の財政は、今や危機的な状況に陥っています。

本当なら、わたしたちの暮しに直結することに回ってこなければいけない税金が、ハコモノという名目に流されているようです。


(1)すでに建設済みの公共施設
• ちがさきゆかりの人物館
• 柳島キャンプ場の整備
• ハマミーナ
• 辻堂駅前窓口センター
• 松浪コミュ二ティーセンター

(2)平成32年度までに建設予定、検討中の公共施設
• 柳島スポーツ公園
• 柳島しおさい広場の整備
• 道の駅
• 西浜駐車場の土地利用
• 茅ケ崎ゴルフ場の土地開発など、国道134号沿線の開発
• 中央公園の改修
• 休日夜間救急センター移設
• 保健所政令市へ移行(税金の負担増)
• 市民活動サポートセンター増築
• 香川公民館移設による複合施設建設 および香川公民館跡地に香川コミュニティセンター建設
• 市営小和田住宅複合施設 
• 文化資料館移転及び周辺地整備 
• 茅ヶ崎公園体験学習施設 
• 辻堂西口周辺整備事業
• 萩園地区産業市街化整備  

(記事:ちがさき市民オンブズマン)


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