茅ケ崎市の財政は大ピンチ! (Part-2)

一気に回ってきたツケ

前回の記事では、危機的な茅ヶ崎市の財政状況を、サラリーマン家庭に例えてみました。 

市長のハコモノ行政のしわ寄せとツケが・・・ここに来て、一気に市民にまわってきました。

貯金は半分になって、借金は倍増、自由に使えるお金はほんの僅か・・・いったいどうするつもりなのでしょう、この先・・・ 


chigasaki-fika.hatenablog.jp

裕福なイメージばかり先行、実は・・・

茅ヶ崎ほど、イメージが先行している市も珍しいのでは? 

湘南という響き、箱根駅伝で中継される海岸と松林と富士山の光景、加山雄三やサザン・・・かつては、そういうイメージの土地でした。しかし、海岸側では、あまりの乱開発ぶりに、見切りをつけて引っ越した住民も多いのです。


県下19市で最低レベルの「子供の医療費補助」
県下でワーストの「保育園の待機児童数」
県下でワーストの「特別支援学級の開設率」 
県下で最下位レベルの「まちの公園・みどり」
「中学校の給食なし」
振り込め詐欺被害」だけがダントツのトップ 

こういったイメージとの格差は、どこから生まれてきたのでしょう?

ひとつには、「茅ヶ崎市の財政は裕福」という錯覚が、市民のあいだにも(市外・県外も)たいへん根強いのではないでしょうか? 


そこで、みなさんに質問です。

「茅ヶ崎市の財政の豊かさは、県16市で、上、中、下のいずれに位置すると思いますか?」

(答えは記事の続きで)

茅ヶ崎市のイメージからの誤解

まず、「県内16市の市民一人当たりの市税負担の状況」(平成25年度)というリストを見てみましょう。

市税とは、市民税(個人・法人)、固定資産税、軽自動車税、など「市民の皆さんが納めたお金」の合計です。

国や県からの地方交付税などの援助や、市債による借金をアテにせず、茅ヶ崎市が自立して得ることのできる税金収入を、人口で割ったもの。

一人当たりの金額が多いほど、市の財政状況は豊かという目安になります。

★さて、茅ヶ崎市は16市のうち、何位になるのでしょう?

(横浜市、川崎市、相模原市の人口50万以上の政令都市はのぞく16市。)


1位は、鎌倉市の196480円。
市税合計は349億(人口17.7万人)

2位は、藤沢市の195350円。
市税合計は822億(人口42万人)

3位は、厚木市の189620円。
市税合計は426億(人口22.4万人)

以上がトップ3です。

4位 南足柄市 169641円
5位 平塚市  166029円
6位 小田原市 165425円
7位 海老名市 162027円
8位 逗子市  160351円
9位 伊勢原市 158134円
10位 綾瀬市 153940円

11位 大和市 151335円
12位 茅ヶ崎市 145494円 
市税合計は349億(人口24万人)

13位 横須賀市 145050円
14位 秦野市 142081円 
15位 座間市 138149円
16位 三浦市 134120円 


茅ヶ崎市は16市で12位です。 

茅ヶ崎市は、大地震時に県で最大の延焼火災地域であることからも分かるように、夜間人口の多い住宅密集地です。

市内に大企業が少なく、自前で確保できる税金収入は、イメージされているような豊かな市ではなく、むしろ12位と下位に位置しています。


f:id:Merimaa88:20170210140539j:plain


もうひとつ、「県内16市の、市民一人当たりの一般会計歳出決算」(平成25年度)という資料があります。

歳出は、建設事業費、人件費(職員や議員の給料など)、施設の維持管理費、福祉や医療費、教育費、ごみ収集、防災、借金の返済、各種団体への補助金などに使われた税金額です。
 
これは、市民ひとり当たりにどれぐらいの税金を使っているか、になります。
 
茅ヶ崎市の順位を予想してみてください。


1位は、南足柄市 444877円 
(県内で人口は最小。市内に大企業が立地している。) 
2位は、逗子市 341844円  
3位は、三浦市 334165円

4位 厚木市   
5位 横須賀市
6位 小田原市
7位 平塚市 309756円
8位 鎌倉市 308823円
9位 綾瀬市
10位 藤沢市 291718円

11位 海老名市 
12位 伊勢原市
13位 座間市 
14位 大和市
15位 秦野市 265497円
16位 茅ヶ崎市 258060円 


何と、茅ヶ崎は最下位です・・・


このイメージとの格差には、驚きました。

「茅ヶ崎市の財政の豊かさは、県16市で、上、中、下のなかで、きわめて下に位置する」ということになります。

タップリ残された「負の遺産」

「茅ヶ崎市は豊かだ」という誤解は、市の財政に関心を持つ市民がいかに少ないかを示しています。

しかし、同時に財政状況の実態を語らず、「財政は健全である」とだけ説明してきた、市や議員の責任はとても大きいのです。

お金がないなら、ハコモノの建設を見直すなど、それなりに知恵を使い、財政の立て直しをはかっている自治体はすでにいくつもあります。 

ところが、茅ヶ崎市は完全に逆行する形です。

財源が豊かでないにかかわらず、建設事業費、施設の維持管理費、各種団体への補助金や委託費に、ジャブジャブと税金を投入してるのです。

この金額は年々増大するばかりで、下がるということがありません。

これでは、市民生活の質を上げていくために最も必要な部分、福祉や児童医療費や給食や防災、みどりの豊かさや公園の確保などに、いつまでたっても税金がまわって来ません。 

また、この先の若い世代に、巨額の維持管理費など「負の遺産」をタップリと残されることにもなります。
 

次のPart-3では、茅ヶ崎市の危機的な財政について、さらに具体的に見ていきたいと思います。

(記事:ちがさき市民オンブズマン)


chigasaki-fika.hatenablog.jp

chigasaki-fika.hatenablog.jp