小学校の修学旅行費紛失をめぐって

1ヶ月学校から報告なし

平成30年9月26日、茅ヶ崎市は、市立浜之郷小学校で、6年生から集めた修学旅行費のうち9人分約15万円を紛失したという記者会見を行った。

服部市長は「このような事を起こしてしまったことに加えて、学校現場から教育委員会へこれまで報告がなされてこなかったことに、大きな問題があると思っている。」

「全公立小中学校に対して、茅ヶ崎市危機管理指針に基づく対応の決定をはかるよう私から指示した。」

「子供が安心して学び育つ場である小学校において、信頼をそこねる事案を起こしてしまい大変申し訳ない」と頭を下げた。


f:id:Merimaa88:20190331011116j:plain

議会への報告書に事実と違う記載

茅ヶ崎市教委は、いじめ問題に続き不祥事による会見となったが、この事件ではまた隠蔽と言われても仕方のない記載があった。

学校側は8月24日に修学旅行費の紛失を把握していたのだが、校長はすぐに警察に届けず、職員には口外しないよう指示を出し、市教委にも届けなかった。

その後、9月17、18日に修学旅行は実施され、紛失分のお金は、校長が学校の金庫にあった教育研究会のお金17万円で穴埋めをしていた。 

紛失から1ヶ月たっても現金は見つからず、校長も報告しないままとなっていたのだが、9月21日に外部からの通報により議員が動き、教育長へ面談を申し入れた。

教育長は「修学旅行費の紛失は全く聞いていない。すぐに校長から事情を聞き調査する」と、その日の午後に校長を呼び紛失を確認、その流れで警察に届け出をして、夜には現場検証が行われた。

9月26日の記者会見に先立って、同26日の午前中に市教委から議員への報告が行われた。本来は「全員協議会」での報告となるところ、なぜか白川議長の判断により「全議員説明会」に切り替えられた。

「全員協議会」は市民もマスコミも自由に傍聴できるが、「全議員説明会」は非公開で、議事録も作成されない。

さらに、議員へ配布された資料には「校長が市教育委員会に第一報を入れた」と書かれていた。 

校長は1ヶ月報告をせず、外部からの通報で紛失が発覚して届けを出したのに、自主的に届け出をしたように書き変えられて、議会に報告されていた。 

議員からは、「事実と違う経緯については訂正をしてほしい。午後からは記者会見がある。」という申し出があり、教育長は事実と違うことを認め、記者発表資料の訂正となった。

前回のいじめ問題と同様に、適正な仕事がされていなかったことになり、しかも非公開で議事録も残されない場で、議員からのチェックも入らないということになれば、市民はこの先も容易に事実を隠蔽されることになってしまう。

不足分のお金は、どこから埋め合わせしたのか?

記者会見や臨時保護者会では、共通するふたつの質問が出た。 

①1ヶ月のあいだ、紛失について学校から何も報告があがって来なかった理由は?
②不足分のお金を校長はどこから埋め合わせをしたのか?


報告をあげなかった理由について、校長は「教職員を疑いたくない意識があり、報告できなかった」と話しているが、服部市長は、そういった問題ではなく、市の危機管理指針として厳しく対応されねばならないと強調した。

不足分のお金の埋め合わせについては、「校長室に保管しておいた現金からその分を立替えて、後日そこに戻した」という説明だった。 

③「では、校長室に保管していた現金は何のお金ですか?」

という疑問には、「教育研究会のランニングコストで、講師に払う謝礼 17万円のストックがあったので借用した。今現在は校長が立替えている」というのが学校教育指導課の説明だった。

なぜ、公立学校の校長室に普段から現金がストックされていて、しかも校長の一存で流用が出来てしまえるのだろう? 
そもそも校長のポケットマネーで立替えることなのだろうか?

④「では、教育研究会のお金 はどういうお金ですか?」

学校教育指導課は「毎年12月、1年に1回 全国から先生を募って研究発表会を行っている。参加した先生から、参加費を5000円 取っている。そのお金で月例研究会の講師の謝礼金などにあてている」と記者会見で説明している。

そして教育研究会は、浜之郷小学校独自の「任意の研究会」というのが市教委の説明だ。

しかし、それはどういうことなのだろう。

①正式な学校全体を主体とした授業でなく

②校長を会長とする「任意団体」の教員によって

③平日の正規の授業時間を使った公開授業が行われて、

④独自に参加者から参加費として5000円を徴収し(資料代1000円も含む)

⑤そのお金は学校の公金扱いでなく、校長名の任意団体の通帳にプールされ、

⑥独自に招いた講師(大学教授など)への謝礼や宿泊費などに使っている

⑦代々の校長は通帳は破棄していて、余剰金の行方は不明 

⑧市教委は「関係していない」と説明している 

ということになってしまう。

公立の小学校の正規の授業時間に、市教委の関係しない授業が行われて、公金の扱いでないお金が集められて、プールされていることになる。

その後、結末の報告はないまま

校長は最終的に報告するつもりでいたのか、それとも内部でどうにかするつもりだったのだろうか?プールしているお金で穴埋めして、紛失を隠し通そうとした意図があったのでは? という疑問も生じてくる。市教委は「そう思われてしまう事案」と答えている。

さらに、教員の長時間労働の見直しも急務になっている。(実際は校長の命令下に行われる全体授業で任意ではない。)

浜之郷小では、本来の学校の授業や業務に加えて、教育研究会としての業務が校長から課せられ、教員が過労状態になっているという。教育研究会のイベントは、こういった過剰な時間外勤務で成り立っていて、現場の先生がつぶれそうになっているのが実情だ。

本来であれば、生徒たちに向けることの出来る目配りの時間を、教育研究会のイベント準備に回さざるを得なくなり、その結果として、学童の安全・安心にしわ寄せは来ないのだろうか? 

その後、紛失した修学旅行費の結末がどうなったのか報告はない。 


www.kanaloco.jp