フジテレビで報道された「茅ヶ崎ゴルフ場」
昨年12月4日 、フジテレビ 『みんなのニュース』で茅ヶ崎市の延焼火災について報道されました。
★茅ヶ崎市のクラスター火災
★広域避難場所である「茅ヶ崎ゴルフ場」が開発される問題
みなさん、ご覧になられたでしょうか?
大地震などで火災を消火できず、延焼が止まらなくなった時、神奈川県で最大のクラスター(延焼運命共同体)と想定されている茅ヶ崎市。
延焼火災の熱から身を守るには、ゴルフ場のような広域な空間でなければ、住民の命を守れない・・・
それが分かっていながら、県・市・茅ヶ崎協同の3者は、住民6万人の広域避難場所に指定されている「茅ヶ崎ゴルフ場」を開発しようとしています。
住民の命を守る「広域避難場所」がなくなってしまいます・・・
茅ヶ崎ゴルフ場 市民6万人の広域避難場所
「それでは、どこに避難すればよいのですか?」
フジテレビ『みんなのニュース』の中で、茅ヶ崎市長への質問がありました。
「広域避難場所である茅ヶ崎ゴルフ場を開発してしまったら、住民はどこに避難すればよいのか?」
それに対する市長のコメントは、
「今のゴルフ場というのは、平面での利活用しかないわけなので、例えばもう少し立体的に活用出来ることも可能性としてある。」
市長の言う「立体的な活用」とは、ゴルフ場の土地に「ビルなどの建設」を意味しているようです。しかし、建物が広域避難場所としての機能を持つのでしょうか・・・?
そしていったい、何を安全の根拠として答えたのでしょうか・・・?
市長の番組での発言の真意を確かめるために、市民側から市に質問書が送られました。
茅ヶ崎市長 殿
12月4日に放映されたフジテレビ番組「みんなのニュース」の中で、市長は「広域避難場所としての機能をしっかりと維持・担保していく。今のゴルフ場というのは平面での利用活用しかないわけなので、例えばもう少し立体的な活用が出来ることも可能性がある」と発言されています。
立体的な活用とは、ゴルフ場の土地ビルなどの建物の建設を意味していると理解します。
「広域避難所を守る会」は、ゴルフ場は広域避難場所として、建物より比較にならないほど優れた機能を有していると考えています。
つきましては、市長の発言の真意を確かめるために、下記の質問をいたします
ので、ご回答いただきますようお願い申し上げます。
商品を扱う商業施設は、閉店後に市民が立ち入ることはできません。
マンションは住民の承諾なければ立ち入り禁止。病院は避難場所として受け入れたとしても、患者のケア・治療や、個人情報の保護、機材・在庫などを盗難被害から守るなどの理由で、建物内の避難場所は制限されます。介護施設も同様。
早朝・夜間・休日に無人となるオフィスビルなどは、所有者やテナントが建物内の避難を認めたとしても、オートロックを使用していれば無人の時間帯には避難できません。
このように、建物はゴルフ場に比して広域避難場所としての機能は劣ります。場合によっては全く機能しません。
市長は、建物はこのような問題を抱えながら、いつ何時発生するか分らない地震火災に対して、ゴルフ場と同等な広域避難場所としての機能を確保できるとお考えのようですが、どのような有効な対策があるのか示してください。
建物は大規模火災の避難場所として以下の危険があります。
市長の発言から危険は想定していないようにも見受けられます。
そこで、以下に示す危険がないと考える根拠を示してください。
1)耐火壁のビルやマンションなどであっても、通電火災などによるビル内部から火災の発生が考えられるので、いかなる場合でも避難可能という訳にはいきません。
2)大規模火災の輻射熱により、建物の窓ガラスが割れ、そこから熱風が吹き込み火災が発生する危険性もあります。
3)高層ビル周辺は、ビル風が発生します。海岸地域の年間平均風速は6メートルですが、ビル周辺は確実に平均風速を上回り、大規模火災の場合、ビル周辺に熱風が発生する確率は高いと思われます。
風速が速ければ速いほど、ビルが高層であればあるほど、ビルの棟数が多ければ多いほど、ビル風の勢いは増し、熱風が発生する確率はさらに高くなります。
熱風をまともに受けると、住民は命の危険にさらされます。
大規模火災による輻射熱から逃れるためには、300メートル以上離れたところに避難しなければならない、と言われています。ゴルフ場の土地にビルを含めて建設される建築物の棟数が多ければ多いほど、安全に避難できる場所は狭まります。
4)建設のため松の一部を伐採する必要があります。松の伐採により風の通り道が出来、上述の熱風や輻射熱の危険性が高まります。
建物の建設により、ゴルフ場の起伏ある土地が平面に整地されます。
それに伴い、ゴルフ場が有している津波の市街地への流入を防ぐ機能を失い、被害を増幅する恐れがあります。
市長が考える対策を示してください。
ゴルフ場に新たに生活道路を建設する必要
ゴルフ場の土地に、新たに生活道路を建設する必要が生じます。そのため、車両の出入りや、生活道路に通じる狭い住宅道路の車両の交通量が増え、周辺住民の閑静な住環境が奪われ、安全が脅かされます。
市長が考える対策を示してください
「建物は広域避難場所として利用できる」という前提とは?
「建物は広域避難場所として利用できる」との前提に立てば、ゴルフ場土地の全体を利用して建物を建設しても、広域避難場所を確保したことになります。
市長が考える建物の合計敷地面積を示してください。
また、残りの広域避難場所で市民の安全が確保できる根拠を、前述の危険に対する対策とあわせて示してください。
市民の安全を確認しないまま、ゴルフ場土地の利活用に関する応募提案を選ぶことはあってはならないことですから、残すべき広域避難場所の広さと、市民の安全を守る有効な対策はすでにあってのことと思います。
平成27年12月8日
広域避難場所を守る会
★市長からの回答はこちら
chigasaki-fika.hatenablog.jp