茅ヶ崎ゴルフ場利活用 何が問題? その6-優先交渉権者の事業提案      

問題点その6 優先交渉権者の事業提案

8月12日に、県と茅ケ崎協同(株)は東京急行電鉄(株)・(株)電通グループを優先交渉権者に選定し、事業者提案の概要(イメージ)を発表しました。

詳細な提案内容が分からないと正確なことは言えませんが、「広域避難場所」に関しては以下の疑問点・問題点があります。
県、市が設定した広域避難場所の安全基準に合致しているかどうかも明確ではありません。 


★県HP 優先交渉権者の選定について
www.pref.kanagawa.jp

ゴルフ場外の「広域避難場所」の問題点

国道134号線をはさんだ両側の「防砂林」を広域避難場所に指定しています。

樹木が密集していて、伐採して間引きしなければ避難場所としては不適格です。

伐採を計画しているのであれば、景観、環境、砂防の観点から問題です。
この場所の安全面積は伐採しない限り一人当たり2㎡では足りません。

いったい事業者は、避難者収容人数を何人とカウントしているのでしょうか?


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このうっそうとした防砂林のヤブに逃げ込むように、事業者は指定した


これに加えて、防砂林は海岸の遊歩道に接続しており、市はこれまで浸水の危険がない低さの津波予想の時でも、危険地帯として海岸地域への立ち入りを警告してきました。

さらに、海岸側の防砂林に行くには、国道134号線を渡らなければなりません。
しかも、大地震が起きれば、国道134号線を走る車も急いで通過しようとスピードが速くなりがちです。
そこに避難者が信号無視して強引に渡ろうとすれば大変危険です。
大勢の避難者、高齢者や車椅子、ペットも含めて短時間で渡ることは困難です。


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134号線の道路下は、深い段差もある。しかもヤブの中。


避難者の行動心理として、このような危険な場所に避難せず、比較的安全な事業区域に避難しようするのは容易に想像できます。

実際問題として、避難者(茅ヶ崎住民)が防砂林に行くのでしょうか?  


事業者選定評価委員会は
「30メートル幅の緑地を確保するなど、広域避難場所の確保や周辺住民の配慮・調和が考慮されている」との意見を出しています。

しかし、樹木が密集した防砂林、特に立地的に問題がある危険な海岸側の防砂林を広域避難場所として提案することは、周辺住民に配慮しているとは到底思えません。

事業区域内(ゴルフ場内)に確保すべき避難者収容能力を検討する必要があります。


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事業提案の概要(イメージ) 134号線の防砂林を「広域避難場所」としている 

ゴルフ場内の「広域避難場所」の問題点

1. 住宅ゾーン以外の地域をすべて広域避難場所としている。
(30メートル幅の緑地を広域避難場所としているかどうかは不明)

県の広域避難場所の安全基準では、広域避難場所は木造密集地域から300m、防火壁の建築物から50m離れていなければなりません。
したがって、住宅地域以外の全域を広域避難場所とすることはできません。


2.住宅ゾーン周囲の30m緑地は、戸建住宅から300m離れていないと思われるので、広域避難場所としては指定できません。
(委員会の意見は、30mの緑地を広域避難場所として捉えているかどうか不明確。)

住宅ゾーン以外についてもの、30m幅では施設から離れなければならない距離が不足していると考えられます。


3. ゴルフ場内外の「広域避難場所の面積」と「避難者収容人数」について。
ゴルフ場内と砂防林の広域避難場所として有効な面積が不明なため、全体の広域避難場所の避難者収容人数が分からず、求められている6万人の避難者収容人数の確認が出来ません。




「広域避難場所」以外にもある問題点

優先交渉権者の事業提案には、広域避難場所以外にも以下の問題点、疑問点があります。

1. 大規模な住宅や商業施設

市の担当職員は県との協議の中で、「大規模な住宅や商業施設は好ましくない」との意見を述べています。
市の意向が事業提案には反映されているか不明です。

2. クラスター火災地域の拡大

宿泊施設が建設されますが、パシフィックホテルなどの倒産でも経験したように、海岸地区はホテル経営で事業採算を取ることは極めて困難な立地です。

事業者と県とのQ&Aでは、「やむを得ない場合は土地の利用方法の変更はできる」ことになっているので、10年の基本協定期間内でも、最悪のケースでは宅地利用への変更もあり得ます。


事業提案では、住宅用地は最大面積のゾーンであり、事業者選定委員会が懸念を示しているように、多数の戸建ての住宅建設によるクラスターの拡大はまぬがれません。

これに加えてホテルが倒産して跡地を住宅用に利用変更すれば、更にクラスターが拡大します。

茅ヶ崎市は、現在すでに日本一の大規模クラスターという学者もいます。

10年後に基本協定の契約期間が経過すれば、宅地に変更できます。

これから先、茅ケ崎ゴルフ場の跡地の宅地化は、果たしてどこまで拡大していくのでしょうか?

3. 命の安全は、いつ、誰が確認するのか?

優先交渉権者は事業提案概要では、
「広域避難場所の安全確認について、いつ、誰がどのような方法で行うのか」分かりません。 

4.みどりの保全はどうなるのか?

「茅ケ崎ゴルフ場のみどりがどれほど保全されるのか」これもまた分からず、市が「緑の基本計画」で設定した市街地の緑地面積目標達成への影響も見当が付きません。

5.道路建設はどうなるのか?

交通渋滞対策として、「砂防林を伐採して事業区域内から国道134号線に通じる道路の建設」を県は認めていますが、事業提案では道路の建設の有無はわかりません(計画概要図には記載なし)。

6. 市の上層部は、市民生活を真剣に考えているのか?

市の担当職員は県との協議の中で、周辺住民の安全を守るため、「茅ケ崎ゴルフ場以外に近隣の地域には、広域避難場所に指定できる場所はない」として、県が要求する小中学校などの広域避難場所への指定を拒否してきました。

また、大規模な住宅や商業施設にも、この地域にはふさわしくないとして反対してきました。

私たちはこれを高く評価しています。

一方で、事業者選定委員会の委員には、市の理事であり企画部長の秋元一正氏も加わっていますが、県の要求を受け入れ、市民の安全、良好なみどりの住環境や景観を破壊すると思われる事業提案者を優先交渉権者に選定しました。

これまで市長は、茅ケ崎ゴルフ場の存続や、12万㎡の広域避難場所の確保に消極的な態度を示してきましたが、市長の意向が秋元部長の委員会での行動に反映しているようです。

7. 鉄砲道がパンクする!!生活が成り立たなくなる

市は茅ヶ崎ゴルフ場の他にも、柳島スポーツ公園、道の駅の建設、浜見平の開発、中島駐車場の開発、茅ヶ崎公園の複合施設の建設など、134号線沿線の開発を同時に進めようとしています。
(違法な会議を設立する、という手段を使って)

いかに市長が、特定の事業者に利益の出るハコモノ建設を進めているかの証明ですが、道路の渋滞対策、安全対策について、市は何ら配慮を見せていません。


これらすべては、鉄砲道を使うことになり、特に「道の駅」「柳島スポーツ公園」など、抜け道として鉄砲道に車が入ってきます。この問題すら解決できていないうちに建設だけを進めています。
さらに自転車プランでは、観光客の自転車も走らせます。


鉄砲道は大渋滞となり、駅に行くのもままならず、バスは遅れ、住民の生活上の移動が困難になり、住宅街への排気ガス汚染が進み、消防車や救急車の到着も大幅に遅れます。

周辺の第一種低層住宅周辺の夜間騒音は規定をオーバーし、住民は静かな住環境を失います。

住民にとっては「キラー・ストレス」です。


私たちは、市の上層部が市民の生活を真剣に考えているとは感じ取ることが出来ません。


茅ヶ崎ゴルフ場周辺地域以外の住民にとっても、これは決して対岸の火事ではありません。

市民の生活を犠牲にして、開発による事業者の利益を尊重する短期的な視野に立ったハコモノ行政がこのまま続いていけば、いずれ対岸の火事が、自分の地域にも飛び火してくることになります。


市民、住民ひとりひとりが、自分が選挙で選んだ市長や市議員、県議員の活動を、注意深く見守ることです。

市長、議員ともに、市民の代表としてふさわしくないと思えば、将来の世代のためにも、これまでのしがらみ(組織票など)を捨てて、「長期的な視野に立って、市民の生活を最優先に考える市政」を誠実に行う市民の代表者を選び直すしか、問題の解決は見えてこないと、この運動を通して感じているところです。


論語で有名な孔子はこう述べています。
「人、遠き慮(おもんぱか)り無ければ、必ず近き憂いあり」と。
2500年前の孔子が懸念した憂い(心配事)が、今日の茅ヶ崎ゴルフ場の利活用についての憂いに当てはまるのは正に驚きです。

住民として安全と緑を守るためには

今後、周辺住民として、市民として、安全な広域避難場所とみどりの環境を守るため何ができるでしょうか?


選択肢はいくつかありますが、事業者提案に基づく実施計画の詳細を理解したうえで、効果的な手段を選ぶことが賢明でしょう。

いずれの手段を単独、または複合して選ぶにしても、資金と労力を必要としますので、「周辺地域住民や周辺地域外の市民の理解と協力」が必須となります。


「みどりと命を守る住民会議」が中心となって他の市民団体と提携し、市民の協力を得ながら運動を展開していけるよう期待しています。

★「みどりと命を守る住民会議」
お問い合わせ、ご意見などはこちらまで
green_and_lives@googlegroups.com

実施計画の問題点を広く市民に理解してもらうために

ネットやビラの配布、署名運動などにより、市民へ事実を知らせる。
マスコミの報道、市・地権者や事業者への事実確認など。
何が事実なのかを、はっきりさせること。

説明会への積極的な参加

市・県・茅ヶ崎協同・事業者の4者が共同でひらく、周辺住民にたいする実施計画の説明会に積極的に参加しましょう。
そして、何が事実かを知り、周辺住民、市民の要望を訴えます。

住民の要望が聞き入れられない場合

市が決定する「用途地域変更」、用途地域変更に必要な「茅ケ崎市都市マスタープラン」の変更や、砂防林の伐採などを、住民投票で阻止する。


*市が決定した「用途地域変更」の無効を訴える行政訴訟

*事業者の東急電鉄(株)や地権者の茅ケ崎協同(株)に対する基本協定の破棄又は工事差し止めを訴える民事訴訟

*市に不当な支出が発生する場合は、住民監査請求、これが却下(受付拒否)または棄却(審査結果拒否)された場合は住民訴訟

*県や市に対する不服申し立て 

などがあります。


《県・茅ヶ崎協同・市の説明会があります》
www.city.chigasaki.kanagawa.jp

9月 6日(火)18:30~21:00
浜須賀会館2階 集会室

9月10日(土)9:30~11:00
市役所本庁舎4階 会議室3

★先着50名となっていますが、人数に制限はありません。


chigasaki-fika.hatenablog.jp

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