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「茅ケ崎市 災害対策基本条例」を直接請求! (part-1)

「災害対策基本条例」の直接請求

かながわ市民オンブズマン広報紙から

ちがさき市民オンブズマンが、
「茅ヶ崎市 災害対策基本条例」の直接請求について、かながわ市民オンブズマンの広報紙(第131号)に記事を寄稿しました。

広報誌:第131号

Part-1では条例請求の理由などを、Part-2ではその後の経過をお伝えします。

開発から市民の安全を守る!

平成25年4月、茅ケ崎ゴルフ場を運営していた観光日本(株)は「平成26年3月末をもってゴルフ場を閉鎖する」ことを発表。

このことに端を発したゴルフ場の土地利活用事業は、優先交渉権者となった東京急行電鉄(株)と(株)電通グループが辞退したため、時期は未定ですが、事業者の再募集を行うこととなりました。

当グループの提案は住民の安全を軽視しており、県や市もこの提案を採用したことから、危機感をいだいた周辺住民が「みどりと命を守る市民会議」を立ち上げ、11月4日、「茅ケ崎市災害対策基本条例案」の制定を請求しました。

なぜ私たち住民は、危機感をいだき条例制定の直接請求を行ったかについて、以下に述べます。



同時多発性の地震火災の恐ろしさ

ゴルフ場周辺地域は、県下で最大規模のクラスター火災地域です。
(建物から1件でも出火しそのまま放置した場合、クラスター内の建物すべてが焼失する延焼運命共同体。) 

茅ケ崎市の市政情報紙は、風速6m(市の平均風速)の場合、火災発生から30分後には1ブロックの建物全体に火災が広がるシミュレーション結果(消防研究センター)を示しています。

また、大規模火災が発生すると、炎の輻射熱によって18m離れたところで10~20秒で火ぶくれになり、28mでは20秒でひどい火傷、43mでは10~20秒で苦痛を感じ、苦痛に耐えられる限界の距離は107mと警告を発し、広い場所への早めの避難を呼びかけています。


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ゴルフ場の広域避難場所に対する県の考え方

県は、開発には「ゴルフ場内にある広域避難場所の安全面積は、最大6万㎡に抑える必要がある」と考えています。

地権者の県、茅ヶ崎協同(株)と市の三者協議の中で、
県は「広域避難場所について(開発事業の採算上)6万㎡が限界である。その他の不足する部分については、茅ケ崎市で検討すべき事項である。」と県の考え方を示しています。
(市作成の平成28年1月26日 三者打ち合わせ・協議議事録)


県、市の広域避難場所一人当たり安全面積基準は2㎡なので、周辺人口6万人、12万㎡が必要であり、不足分は6万㎡となりますが、ゴルフ場の近隣地域には安全な広域避難場所に指定できる場所はありません。

県は、広域避難場所の一人当たり安全面積2㎡を変更してまで、不足分の広域避難場所を新たに指定するよう強引に市に迫っているのです。


ゴルフ場の広域避難場所に対する市の考え方

市長も開発のためには、広域避難場所の縮小はやむを得ないと考えています。

市民からの「(ゴルフ場の開発によって)収容できなくなった人数分が出た場合の、代替えになる避難場所を教えてください」との質問に、「浜竹や松浪地区につきましては藤沢市に隣接していることから、・・・藤沢市が指定する広域避難場所への避難が考えられます。」と広域避難橋の縮小を認めた無責任な書信回答をしています。

選定評価委員会の優先交渉権者(事業者)選定の理由

東急電鉄・電通グループの事業提案は、ゴルフ場内の不足分の代替広域避難場所として、湘南海岸沿道の国道134号線を挟んだ両側の「砂防林」を指定しています。

ここを実地見学すれば、樹木が鬱蒼と生い茂り、とても人が避難できる場所ではなく、津波にも危険であることが一目瞭然で分かります。


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134号線沿いの砂防林

また、開発による住宅ゾーンは、市街化地域に隣接していて、県下最大のクラスターが更に拡大します。

市街化地域と接する地帯には、火災の輻射熱をさえぎる効果のある松林を伐採して30mの緑地を作ります。

市民の安全を軽視した事業提案です。


選定評価委員会は、科学的な知見に基づき、砂防林の広域避難場所としての安全確認を行わないまま、「広域避難場所や津波避難場所の機能確保や考え方がしっかりしている」ことを理由の一つに挙げ、交渉優先権者を選定しています。

選定評価委員会には県の職員2名と、市から企画部長が委員として加わっていることから、県と市の安全より開発重視の姿勢を読み取ることが出来ます。

住民が望むのは、静かで安全な緑の環境

「ゴルフ場存続を図る会」は、24,000人のゴルフ場存続の署名を県と市に提出しています。

近隣の2つの自治会では、広域避難場所とみどりを守るためゴルフ場を公園にする、或いは広域避難場所の面積を狭める開発中止の要望書を市長に提出しました。

県、市による住民説明会やパブリックコメントでは、殆ど全員に近い圧倒的多数の意見は、広域避難場所の保存を求めています。


防災緑地研究の第一人者である、愛媛大学防災情報センターの二神透准教授は、「茅ケ崎ゴルフ場は、周囲に樹木が植栽されており、地震火災の輻射熱を十分に遮蔽できる安全な広域避難場所であり、開発され樹木が伐採されれば安全な避難場所を失うことになります。開発を優先し、まちに安全な空間が無くなってしまうことは、広島の土砂災害もそうですが、行政による人災です。」と述べています。

未来を見据えた安全な空間を残して、住民の生命を守るために、広域避難場所としての保存を求める意見書を県知事に提出しています。


これらを無視した県と市の開発優先の姿勢から、茅ヶ崎市防災計画だけでは市民の安全を守ることは困難であると考え、法的根拠のある条例の制定を請求するに至った次第です。

11月11日から12月11日までの1か月間に有権者数の50分の1にあたる、4,300人以上の有効署名数を集めていきます。


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