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第23回 全国市民オンブズマン香川大会に参加して

ふぅがわるいで、政務活動費!

第23回「全国市民オンブズマン香川大会」が、9月24日、25日、高松市のサンポートホール高松で開催されました。全国から250人のオンブズマンが集まり、かながわ市民オンブズマンからの参加者は14人でした。

「大会宣言」と「政務活動費領収書等web公開を求める決議」を採択しました。

第23回全国市民オンブズマン香川大会


ちがさき市民オンブズマンも参加しました!

かながわ市民オンブズマンの機関誌に大会の様子をレポートしています。
こちらでも全文を紹介します。



第23回「全国市民オンブズマン香川大会」

ちがさき市民オンブズマン 代表幹事

大会では、実行委員会を代表して、「オンブズ香川」の事務局長、植田真紀氏が冒頭のあいさつを行いました。

議員の政務調査や視察に関連した政務活動費の使い方を住民が監視し、全国市民オンブズマンのネットワークの力で、情報公開や議会改革を求めていく必要性を訴えました。


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政務活動費を追求する決意

これに続き、「全国市民オンブズマン連絡会議」代表の土橋実氏が、大会のメインテーマである当地弁で「格好悪い」を意味する「ふぅがわるいで、政務活動費」についての報告を行いました。

報告の冒頭に、2006年の「第13回全国オンブズマン福岡大会」で当時の宮城県知事、浅野氏の語った「行政にとってオンブズマンは敵だが、必要な敵だ」を引用して、オンブズマン活動の必要性について言及しました。

その上で、昨年の国内外の動きについて、国内の動きとしては、一昨年の安保関連法案の成立から今日までの一連の改憲に向けての動き、原発稼働推進、政治とカネの問題を取りあげました。

甘利経済再生大臣、舛添都知事の辞職。
福島原発事故被災者の生活再建など、原発事故が終息の見とおしも立たない中での、老朽化した原発稼働推進。
不透明な「築地市場移転」の決定プロセスと「政治とカネ」との関連性。

兵庫県議や富山市議などの政務活動費の行為は、立派な犯罪行為であるにもかかわらず、不正支出にとどまっているマスコミの論調などに触れました。

今年のテーマは、これらのことを踏まえて、身近な問題として「ふぅがわるいで政務活動費!」を中心として、「政治とカネ」の問題を追及する決意を表明して締めくくりました。


www.nikkan-gendai.com

政務活動費の情報公開と監視活動の強化

「全国市民オンブズマン連絡会議」の代表幹事、児嶋研二氏による同会議が行った「2016年政務活動費アンケート調査」報告と、光成卓明氏による「意見交換会参加費アンケート調査」の結果発表がこれに続きました。

前者のアンケート結果では、支出率が昨年度に比べ若干低下しています。
兵庫県の号泣議員により全国的に政務活動費に関する関心が高まり、選挙への悪影響を懸念したのであろうと分析しています。

特に、不祥事が報道された兵庫県では、毎年1割も減少しています。一部の議員の不祥事が起こっても、他の議員の「調査活動研究」が減少することはないはずなので、政務活動費が本来の政務活動費に使われていなかったことを示すものと理解できます。

しかも、不祥事が起これば一時的に政務活動費の執行率は減少していますが、時間がたつにつれて増加に転ずる全国的な傾向があることから、とりあえず市民の批判をかわす手段として、期限付きの減額措置を行ってきたことを明らかにしています。

今後市民の立場から、政務活動費の情報公開と監視活動の強化がますます必要であり、情報公開請求不開示処分があれば、住民訴訟などで対抗する決意を表明しました。

実際に、支出してる人は回答しない

続いて、光成卓明氏による、香川、愛媛、徳島、高知、三重5県の県議会に対して、議員の選挙区内で行われる「意見交換会参加費アンケート」結果が報告されました。

「意見交換会の参加費」として、現金の支出や参加物品購入に関する質問に回答した大半の議員は、厳しい回答を寄せています。
香川県や愛媛県の特定の議会や会派に低回答率が集中したことは、「実際に支出している人は殆ど回答してこないであろう」という、会が立てた仮説を裏付ける可能性があります。

今回の対象にならなかった地方自治体の議会でも、問題を明らかにするため同様のアンケートを行うことを提唱しました。

茅ヶ崎市の「口利き」議員は大丈夫?

内田氏は外部から行政への働きかけを記録し公開する「口利き記録制度」の調査結果を報告しました。

多くの都道府県、政令市、中核市は「記録制度」を制定済みですが、その運用には地方自治体間で違いがあります。

「記録対象情報を限定しないこと」が制度のカナメですが、神奈川県など違法・不当を記録対象の要件とした制度は、違法・不当の判断が職員では無理があり、絵に描いたモチになります。
記録があっても、情報公開制度だけでは不十分であり、行政側から公表する制度が必要です。
この点に関しては奈良県が最も進んでいます。行政への市民参加のためにも、口利き記録の分析を全国の各地で分析する提案がなされました。
 

相当黒い議会の活動費

「市民オンブズマン岡山」の弁護士、光成卓明氏は政務活動費分科会の中で、香川県議会の「相当黒い議会の活動費」として、多額の意見交換会参加費、支出内訳不明な会派・議連会費をあげています。

他県でも類似の事例として、政党支部への流出、多額な意見交換会参加費、偽造変造の領収書や虚偽の支出証明書、親族所有不動産を事務所に使用、後援会主催の生バンド付き「県政報告会」、高額な海外視察旅行、年間地球一周半の距離のガソリン代、選挙資金として分配などをあげています。

議会や首長のチェックに期待できない現状から、市民がするべきことは、チェックを続けることと、市民のチェックがしやすい制度的環境を作る努力を訴えました。
このためには、政務活動費の領収書HPの公開と、公開までの期間の暫定措置として、PDFによる公開を求める運動を提起しました。




茅ヶ崎市の「まちぢから協議会」は?
 
翌25日の「政務活動費」「説明責任」「町内会」「情報公開審査会」「原発とカネ」の分科会のうち、「町内会」分科会に参加しました。

豊永泰雄弁護士の「町内会を考える」報告で注目した点は以下の通りです。

行政と町内会は相互依存の関係にある

行政にとっては、行政連絡や町内会を取りしきる地域ボスの存在が、住民からの情報収集、地域の取りまとめ、選挙時の集票マシンとして好都合である。

町内会は歴史的にお上に弱く、町内会のボスにとっては、行政協力の見返りにステータスシンボルを取り付け、行政投資(補助金)を引き出しやすいメリットがある。

町内会は不正会計が生じやすい

町内会は、組織として規範がしっかりしていないので不正会計が生じやすい。
しかし、行政にとっては、町内会のボスが集票マシンとして補助金を地域住民に使うことは好ましい。私腹を肥やしてもチェックしないし、これをかばう。

行政と町内会のボスの癒着

相互依存が「行政と町内会のボスとの癒着」を招き、町内会の民主主義を壊している。
その結果、町内会の存在意義が問われている。


大阪市見張り番の服部弁護士・松浦氏、福岡市民オンブズマン、広島市民オンブズマン、滋賀県市民オンブズマン、群馬市民オンブズマン、かながわ市民オンブズマン、高松市民オンブズマンの報告が続きました。

情報公開訴訟、補助金の不正使用や不正会計、建設事業者による町内会長抱き込み、補助金の使い方に関与しない行政、社会福祉協議会による赤い羽根強制寄付訴訟、集票マシンなど、豊永弁護士が指摘した問題の多くが報告されました。
今後の全国市民オンブズマン大会の分科会として、町内会分科会の継続を裁決して終了しました。


最後に、政務活動費に関するインターネットでのいっそうの情報公開請求と、監視活動の継続、違法・不当を要件としない「記録制度」の制定、情報不開示決定に対するあらゆる手段での戦い、住民訴訟制度の改悪の動きを許さない決意を誓う大会宣言を採択して大会は閉会となりました。


なお、その他にも以下の報告や寸劇がありましたが、紙面の関係で割愛します。

*情報公開センター理事長新海聡氏による「秘密保護法情報公開訴訟」報告
*弁護士森田明氏による「これで分かる国の情報公開審査会の活用法」報告
*各地からの訴訟、文書件名公開、授産施設内部告発つぶし、議員給与引き上げ、海外視察、警察による高齢者情報提供や施設監視カメラ設置などの報告

個人的感想として

今回の「全国市民オンブズマン大会」参加は初めての経験です。
ちがさき市民オンブズマンにとっても貴重な参考になる多数の報告と、それを熱心に聴取する参加者の多さに感心させられました。

各地の市民オンブズマンの報告から、補助金をめぐっていかに不正の多いことか・・・これでもか、これでもかとばかりに議会、行政、町内会の補助金や会計処理などの不正行為や癒着に関する報告が続き、半ばあきれ、半ば悲しい気持ちにさせられましたが、市民オンブズマンの活動は議会、行政、町内会の改革に必要であることを改めて認識しました。