茅ヶ崎市の台所事情は火の車

「市の財政は健全」と自信たっぷりだったが・・

平成22年度に、本庁舎の建て替えを発表した市は、「市の財政は健全である!」と、広報紙の特集号を発行しました。

また、財政部長は「建て替え資金が不足した場合は、国が不足額を地方交付税で補填してくれるので財政的な問題はない」と議会で説明しました。

では実際どうだったかというと、今、市や議員は「財政は厳しい」と口を揃えています。

茅ヶ崎市の平成29年度の決算を平成22年度に比べると、一般会計の支出合計が620憶円から722億円と102億円増えているのに、市税はわずか20億円しか増えていません。

収入が20億円増えても、支出が102億円増えれば台所事情が苦しくなるのは当然です。


《一般会計・増加した主な費用》

平成22年度と平成29年度を増減で比較してみると

・福祉的費用(扶助費)+46億円の増加(142億円 ⇒188億円)
・補助費(補助金など)+37億円の増加(35億円 ⇒ 72億円)
・公共施設の建設費(公債費)+16億円の増加(68億円 ⇒ 84億円)
・人件費 +16億円の増加(129億円 ⇒ 145億円)

その一方で、市税収入 +20憶円しか増えていない(342億円 ⇒ 362億円)

このほかに特別会計の市立病院の収支が赤字に転落しました。
・市立病院の収支   ▲15憶円 ⇒ ▲17億円  ▲2億円

自由に使える資金がない

この結果、市税のように経常的に入る資金の大部分が、義務的経費の公債費、人件費、扶助費などの経常的な支出に使われ(経常収支比率)、自由に使える資金は殆どなくなりました。

平成29年度は、自由に使えるお金は推計で14億程度です。これは公共施設の建設に使われますが、国や県からの補助金があっても84億円(平成29年度の公共施設の建設費)には届きません。

どうやって不足額70億円をまかなっているかというと、市債(借金)を発行するほかにも、柳島スポーツ公園のように企業の資金を利用して分割払いで公共施設を建てるようになりました。

分割払いによって翌年度以降に支払いを予定する債務を「債務負担行為」といい、実質的な借金です。


平成22年度 ⇒ 平成29年度 増減で比較してみると

・経常収支比率  +4.6% (92.4% ⇒ 97.0%)
・市債残高  +287億円 (429億円 ⇒ 571億円)
・債務負担行為 +177億円(63億円 ⇒ 240億円)

 
☆市の借金時計(一般会計+特別会計)をご覧ください。        

www.city.chigasaki.kanagawa.jp

議会のチェックが働かなかった

それにしても、なぜ、このような厳しい財政状況になってしまったのでしょう?

それは、行政がハコモノを重視し、職員を増やし、市立病院の赤字垂れ流しを放置して「身の丈にあった」財政運営をして来なかったからです。

議会は監視機能が働かず、危機感を持たずに行政の財政運営を認めてきた ことも大きな要因の一つです。


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どうやって厳しい財政状況を立て直す?

このような厳しい財政状況を克服するにはどうしたらよいのか、考えてみましょう。

私たち市民が市政に関心を持つことによって行政や議会に緊張感を持たせるのが前提ですが、できることはすぐに始めてもらうことです。

①公共施設の建設費の削減

ハマミーナのように民間企業に建設してもらって市が借りる賃借料、公共施設の維持管理費、設計・調査・情報化などの外部への委託費、土地・什器備品購入費なども同時に削減できます。

逆に言えば、建設をするほど、こういった賃貸料や維持管理費、外部への委託費、什器などへの支出も増えていきます。

②職員数の削減による人件費の削減

職員数は平成22年度の1866人から、平成29年度には2128人へと、実に262人増加しています。

市が維持管理の責任を負う公共施設の委託業務を、指定管理業者に移してきているので、職員の業務量は減るはずですが、反対に増加しています。

業務内容の見直し、組織改編、仕事の効率化などによって業務量の削減を図る必要があります。さらに、市は中核市への移行を目指してきましたが、移行が実現すれば数十人の職員が必要であり、見直しが必要です。

③市立病院の赤字を削減すること

予算を達成すれば、平成29年度の医業利益は少なくても3億円増加します。平成29年度に限らず、決算数字は常に予算を下回っています。

④総合評価方式による入札や競争入札の厳格なチェック

地方自治法では、「地方公共団体(地方自治体)はその事務を処理するにあたっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最小の費用で最大の効果 を挙げるようにしなければならない」と定めています。

市庁舎建替えや柳島スポーツ公園の入総合評価方式では、価格では1番札より3億円近く高い2番札の業者が落札しました。競争入札では落札率が予定価格の99%を超えるものが大型案件に多々みられます。稀に100%のものもあります。

全国市民オンブズマンは、総合評価方式を官製談合の温床、また、競争入札の落札率が95%を超えると談合の疑いが濃厚と結論付けています。
 
長期的には企業誘致、商店街の活性化や労働人口の増加などによる市税収入の増加が必要です。平成29年度の法人市民税収入15億円は一般会計の収入合計の2%、市税合計の4%、わずか15億円にすぎません。

この結果、茅ヶ崎市の一人当たり税負担は県内の16市の中で下から3番目です。市税の王様は個人市民税ですが、人口増加によって一人当たりの税負担が増えても、それ以上に一人当たりの歳出が増加します。

単純に人口を増やせば財政が解決する訳ではありません。