茅ヶ崎の「道の駅」は謎だらけ、オンブズマンから15の質問

平成26年8月23日、「道の駅基本計画」について、ちがさき市民オンブズマンの要望で、学び講座が行われました。

これから建設予定となる茅ヶ崎の「道の駅」について、多数の質問や意見がありました。

特に、以下の4点です。 

★住民の声を反映する「市民参加」のもとでの計画策定でないこと

★この結果、住民の生活環境には配慮が足りないこと 

★厳しい市の財政状況を考慮していないこと

★必要な調査をおろそかにした「初めから道の駅ありき」の計画であること


市の回答が保留になった事項などがありましたので、それらの質問を、ちがさき市民オンブズマンがまとめて、市長へ質問書を提出しました。

市長から届いた回答は、回答になっていないものが多いです。
しかし、その後に市民への説明会なども開かれず、謎の多い状況には進展がありません。

「道の駅基本計画」についての質問

回答は平成26年10月19日付

道路渋滞対策について

★これ、重要です!

Q:国道134号線の下り方向から道の駅に入るには、柳島向河原の交差点を右折しなければならず、渋滞が懸念される。また、ちょうど橋の手前のカーブで見通しが悪い。

これから、柳島スポーツ公園、浜見平のショッピングセンター、平塚のららぽーとが営業を開始すると、134号線の渋滞が激しくなり、渋滞を避けるために、鉄砲道に入る車が増加し、騒音・排ガスなど周辺住民の生活環境の破壊が心配される。
市は、国道134号線と鉄砲道路の渋滞対策をどのように考えているのか?


A:道の駅の動線計画については、渋滞・安全面を考慮しながら、横浜国道事務所、神奈川県など関係機関と協議をし、現在神奈川警察本部と交通協議を進めている。

ご指摘のとおり、交通量がひじょうに多いこと、近くに柳島向河原交差点が位置していること等から、現在の計画案では、国道134号線下り車線から直接右折して道の駅に進入する動線は考えておらず、柳島向河原交差点を右折し、鉄砲道から道の駅に進入するよう計画している。

また、その他ご指摘のあった周辺状況の変化をふまえ、周辺交通を妨げないよう、引き続き、交通管理者、道路管理者、公共交通事業者などと協議を重ねながら進める。


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せっかく4車線になって、かつての大渋滞が解消した134号線の湘南大橋。
しかし、橋の手前に、柳島スポーツ公園と道の駅ができるのでは、再び渋滞になるのでは?
茅ヶ崎市、議員の責任は?

安全対策について

Q:西浜駐車場では、サーファーと釣り人が駐車場の奪い合いで喧嘩をするなどして治安が悪いとの報告がある。
道の駅の駐車場は無料の上に、24時間営業となるので、暴走族などの格好のたまり場となりやすく、周辺の住民や子どもたちに影響が及ばないかなど心配される。市の防犯・安全対策を示してほしい。

A:ご意見の通り道の駅は、駐車場やトイレなど一部の施設が24時間開放となります。
防犯対策としては、防犯カメラの設置や巡回パトロールなど、あるいは24時間店舗の導入により、常に監視できる体制を整えるなど、他市の事例などを参考にしながら、茅ヶ崎警察署とも協議をし、方策を検討していく。

海岸の134号線沿いで、駐車場は24時間無料。夜間のたまり場、車中泊の絶好のポイント、サーファーの駐車場利用、柳島スポーツ公園利用者の駐車場利用など、事前に分かっているのは明らか。安全責任者の所在が見えない。


Q:特に柳島小学校の児童にとっては、児童の遊び場であるグラウンドに接する「柳島スポーツ公園」の大規模駐車場に加えて、24時間オープンの「道の駅」の駐車場が作られることになる。
防犯上の問題に加えて、排ガス・騒音の問題も起きる。これは北欧などの先進国では到底考えられず、子供の安全で健康な生活環境を壊す「子供の人権侵害」となるのでは?

選挙の時は、選挙カーが学校や病院の前では音をたてない配慮をしている。道の駅を建設するのであれば、柳島小学校の児童に対して同じような配慮を払うことは市長の責務と考える。道の駅を建設すれば避けられない重大な問題への対応を示してほしい。

A:ご意見の通り周辺環境に悪影響を及ぼさないために、茅ヶ崎市環境マネジメントシステムに基づき、周辺の生活環境の悪化を可能な限り防ぐよう、土地利用や施設の構造を検討する。

車や人の出入りが増大する=排ガス、騒音が増えるほど、施設の収益があがるという矛盾。


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赤枠:道の駅 黄枠:柳島スポーツ公園

市民参加について

Q:平塚市の計画した「道の駅」では、周辺自治会の反対の声を平塚市が真摯に受け止め、建設計画が中止になった。
平塚市では、市民参加が進んでいることを示している。

茅ヶ崎市の場合、パブリックコメント前の早い段階で、住民の声を「道の駅の基本計画素案」に反映させるため、どのような市民参加を行ったのか明らかでない。

意見交換会などの、具体的な市民参加の事例をすべて開示して欲しい。(具体的な事例があれば、情報公開請求により議事録などを請求する。)

A:道の駅については平成26年度に道の駅整備候補地を選定し、市民説明会を2回開催した。
また、道の駅基本計画を策定するにあたり、素案の説明回を2回行い、パブリックコメントを実施している。

素案の作成以前には、2回しか説明会をしていない。

説明会=すでに決まったことを市民に報告する場


概算事業費について

Q:事業費24億7500万円が、総合計画第3次実施計画の13億1800万円より11億5700万円増加している理由は何か。

A:道の駅整備推進事業費は、総合計画第3次実施計画の平成28年度から平成30年度の3ヵ年の事業費は18億8833万円になっており、残りの5億6670万円は平成31年度の外構工事、植栽工事などの事業費と考えている。


Q:用地取得費として4億8千万円を計上しているが、地主との土地の購入交渉前に、概算とはいえ用地取得価格を示すことは実際の取得価格の上昇に繋がる懸念があり、得策ではない。建築工事などの工事費も同じことが言える。これらのデメリットを考えれば、概算事業費の公表は総額を示すだけでよい。

A:市民の皆さまに対し、概算事業費とはいえ可能な範囲で内容を示すことは、行政の情報公開のあり方として当然のことであり、示すべきと考えている。
また、本市では隣接する柳島スポーツ公園の事例があるため、それを参考に算出している。今後地権者の皆様へ丁寧な説明をし、ご協力いただきたいと考えている。
また、基本計画策定時の概算整備費を示しているが、今後詳細設計のなかでより具体的な事業費を示す。

管理・運営について

Q:管理・運営に要する市の負担が分かるデータを市民に示してほしい。

A:管理運営については、平成28年度から運営戦略について調査・検討を行い、具体的な管理・運営手法について定めていく予定となっている。

税金がこの先いくらかかるのか、数字も出さず、市民に示さずに「道の駅」を作ると決めたことになる。

前の質問では、『可能な範囲で内容を示すことは、行政の情報公開のあり方として当然』と答えているが、まったく矛盾している。 


Q:運営に必要な商品計画を策定する必要がある。
A:同上

Q:売上高約14億円は、東日本高速道路と国土交通省のデータをベースとした机上の算定。
データは全国平均であるため、市の道の駅と類似した、都市型道の駅の聞き取り調査などを行い、売上高推定の精度を高める必要がある。
しかも、売上高は来場者数140万人全員が購買する前提で、平均購買単価を1000円として、計14億円として計算している。
国土交通省のデータは購買客の購買単価であって、来場者数=購買客数とするのは合理的でない。

A:売上高予測については、あくまでも14万人すべての来場者が1000円購入することではないと考えている。トイレ休憩のみの利用の人もいれば、物品購入や複数店舗を利用する人もいる。
現在、建築の詳細設計を実施してることから、具体的な店舗面積などを視野に入れ、売り上げ予測について検討している。

何を売るかも、売り上げ予測の数字も具体的に出していない。


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市民の税金での負担は、いくらなのですか? 


Q:茅ケ崎市では通常、いったん基本計画が決まれば、ほとんどそのまま議会を通過し、土地の購入から始まり地質調査、基本設計、詳細設計、工事の各段階ごとの予算を取り計画が実行されてゆくので、後戻りできない。
市長は総合計画の中で「経営感覚を持った行政経営を行う」との指針を述べている。

計画を実施した後で、想定外の収入減や、費用増加による事業撤退のリスクもある「道の駅の基本計画」の実行は、経営感覚を持った行政経営とはいえない。

地方自治法や市の自治基本条例のなかで、市に課せられた「最小の経費で最大の効果を挙げる」、この財政運営の責務を果たすために、商品計画、販売計画や損益計算などの企画立案や会計などの各分野で、経験豊富な市民の協力を得て市の負担を明らかにし、実現性の高い事業計画を策定してもらいたい。

本来なら、基本計画に必要なこれらのデータが乏しく、市民の理解を得るための説得力に著しく欠ける。初めに「道の駅ありき」の感をぬぐえない。


A:道の駅整備事業については、他の事業と同様に庁議にはかり、議会の承認を得て進めております。
なお庁内や議会との協議については、今後も継続的に実施していくとともに、市民の皆様にも情報提供を行ってまいります。

出て来ることばは、「今後、今後」ばかり。「事前にどうだったのか?」と聞かれると、市も議員も説得力のある数字をまったく出せない。 


目的について

Q:東京オリンピック・パラリンピックや、藤沢のセーリング競技目当ての経済振興が事業の重要な狙いの一つとなっているが、一時的な来訪者の増加に期待するのはリスクが大きい。

A:道の駅は、オリンピック・パラリンピックのみでなく、さがみ縦貫道路が全線開通し、平成32年度には横浜湘南道路、高速横浜環状南線の開通予定などが重なり、経済振興の推進、地域経済の好循環をはかる絶好の機会と捉えている。
市内の昼間人口が急増する中で、市民の皆様が市の地域資源との接点を得る場として整備することで、地元消費による地域振興も期待できると考えている。

何を売るのかも、まだ決めてなかったのでは?


Q:道の駅による経済振興、就労、インバウンド観光(市外からの観光)の効果についての定性的な記述はあるが、定量的(数字として表すこと)な目標は示されていないので、市がどの程度の効果を期待しているのか分からない。

A:道の駅を作る効果として、市内事業者が出店し、販路拡大する大きなきっかけになること、道の駅で市民の雇用が生まれること、道の駅で買い物するため、高齢者の外出機会の増加につながること、子育て世代の交流拠点になることなど、多岐に渡り多くの効果が期待できます。そのため、具体的な定量表現でなく、総合的に効果を発揮したいと考えている。

再三にわたって、数字で出すよう市民から言われているはず。
民間でこんなズサンな計画でGO する会社ありますか?常識で考えてほしい。


基本方針のコンセプトについて

Q:「茅ケ崎市とホノルルに共通する、ゆったりとした雰囲気によるリラクゼーションの提供」のコンセプトは、一方で、ハワイでも人気のゴルフを楽しみながら寛ぐことができる「茅ケ崎ゴルフ場」を取り壊し、跡地を開発する「利活用基本方針」とは相容れない。ダブルスタンダードの都合よい使い分けではないか?

A:今回整備する道の駅では、茅ヶ崎市と共通したホノルルの文化や、雰囲気を感じることのできる道の駅をコンセプトにしている。ホノルルのゴルフ場の雰囲気を演出するものではない。

茅ヶ崎の税金でホノルルの宣伝までしなければならないのか?


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市長は、毎年3月にホノルルに行っている


Q:「さまざまなニーズに対応した情報提供と、魅力・資源を発信する」というコンセプトで、「地域振興施設」の中に設置する情報コーナーや販売スペースでは、湘南全体の地域振興ために、茅ヶ崎以外の観光情報の提供や、生産者の特産品販売などを行う計画がある。
他地域の観光情報の提供は、むしろ観光客が茅ヶ崎にとどまらず、他市に流れるデメリットがある。
また他地域の特産品の販売は、市の特産品販売の足を引っ張り、デメリットも考えられるので、市民の税金で湘南地域全体の振興をする施設の運営・維持管理費を全額負担する必然性はない。

湘南地区全体の振興は「県の所掌業務」であり、県に対して運営・維持管理費用の負担を請求してしかるべきと考える。


A:道の駅は、さがみ縦貫道の茅ヶ崎海岸インターの近くに位置し、湘南地区のゲートウェイとしての役割が期待できる。本市の情報はもちろん、本市に限らず、さがみ縦貫道路を利用して、江の島・鎌倉方面や箱根伊豆方面に向かう車が休憩し、目的地へ向かっていくことにより、茅ヶ崎に立ち止まってもらうことも狙いのひとつとなっている。
今後、神奈川県、近隣市と協議し、本市だけでなく湘南地域全体がより魅力ある地域となるよう検討していく。

だから、財政難の茅ヶ崎が負担する必要があるのか聞いている。質問の回答になっていない。


Q:県が応分の運営・維持管理費を負担しないようであれば、経費削減のため、茅ヶ崎市のみの地域振興に限定して、地域振興施設の機能やスペースを縮小し、他地域の振興に資する観光情報提供や、他地域の業者の販路拡大や特産品販売スペースは設けない。

A:同上


Q:「地域のつながり、“ちがさき愛”を育み発信する」というコンセプトで、住民のための「交流広場」や「多目的スペース」を地域振興施設に設けるが、近隣には住民交流の施設として「しおさい広場」「柳島キャンプ場」「子どもの家わくわくらんど」「ハマミーナ学びプラザ」や建設中の「柳島スポーツ公園」などがある。
厳しい市の財政の下では、過度な住民交流施設の建設は正当化されない。

A:道の駅は道路の休憩施設や観光客のサービスだけでなく、地域住民にとっても憩いの場でなくてはならない。
道の駅が高齢者の外出機会の増加、子育て世代の集う場となり、そこに市外から来た方も含めた交流拠点を目指している。市内外の方の交流により、茅ヶ崎の観光・文化をより効果的に発信できる。

「交流」という名のハコモノ建設が市内に多すぎるのでは?

 

法令の順守について

 
道の駅パブリックコメントで、「国道134号線の活性化に関する有識者会議」の違法性についての市民の質問に対して、市は「監査委員の違法判断の指摘を受けているが、行政として整理した考え方について市民に素案を提示したプロセスには問題なく、方針の資質は有効である」と回答している。

しかし、地方自治法第2条第17項では「法令に違反した地方自治体の行為は、これを無効とする。」と定めており、違法に設置された会議での提案に基づく素案の策定プロセスは無効である。

市の回答からは、法令順守の姿勢に欠けており、同じ過ちを繰り返す危険性を懸念する。


chigasaki-fika.hatenablog.jp

本来であれば、議会の承認を得て条例により審議会などの附属会議を設立し、公募市民を委員に加えて、市民参加のもとで委員の意見をまとめて提案し、市は提案に基づき素案を策定するプロセスを踏まなければならなかった。

これらの行為は、「地方公共団体は、法令に違反してその事務を処理してはならない」ことを規定する「地方自治法」第2条第16項に違反している他、市政の原則として市民参加を謳っている「茅ケ崎市自治基本条例」や「市民参加条例」にも違反している。

民間企業であればコンプライアンス(法令順守)に欠ける企業として社会的な信用を著しく失う。

反省のない行政は尚更のことであるので、職員の法令順守を徹底してもらいたい。あえて苦言を呈する。


市議会議員ははよくこんな計画で、議会を通したものです。


★市の発表した概算事業費は、24億7500万円。
その他に、詳細設計、オリジナルブランド推進業務委託、基本計画の委託などで8000万円以上。しかし、この計画書に「道の駅」の経営の安定を示せる数字は出てこない。

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